【ロンドンスーパーGP、男子100mで計時装置故障、】

パリの連日35度以上の猛暑だが、ロンドンも漏れなく暑い!世界選手権直前の試合とあって,クリスタルパレスの入場券は完売。18000人のスタンドは満員。外にダフ屋が出ていた。値段を聞いてみると、バックスタンドで20ポンド!(約4000円とか)

イギリスのこのような大会取材、例えば、クロカン、ロンドンマラソン、シェフィールド大会など、取材申請書を出しておいてもまず返事はこない。問い合わせても係員外不在とか、連絡の取りようがない。

今回も受付の取材者リストにぼくの名前がない。係員が報道用のテントに入れてくれたがひと悶着。顔見知りのカメラマンチーフが姿を表わすと、ぼくの名前はカメラマンリストにはあった。

テントの中は扇風機1台。エアコンはない!!みんな外に出て日陰で涼む。

カメラマン数人がフィールド内に出ようとすると、またここでひと悶着。いくら説明してもガードが中に入れてくれない!カメラマン全員チーフが来るまで待機。融通が利かないことこのうえないのは英国人!

主だった話題を拾ってみよう。

家事に疲れた世界記録保持者のモントゴメリーは、スタートが1歩半も遅れ、10秒13の予選落ち。ティムは「最悪のスタートだった!正直に言うと,DNガランで敗退したレースが頭を横切った。世界選手権まで、あと数回のレースで調整できる」と豪気だが・・・

しかし、BBCのコメンテイターのマイケル・ジョンソンは「今季のティムは終った!急激に生活環境が変わり、レースに集中できない。昆乱状態だ」と手厳しい。

男子100m決勝レースで、電子計時装置が故障するハプニング。グリーンは欠場したが、世界最高のメンバーが集結した。 まず、ウイリアムズのフライング。次はキャンベルがブロックについているスピーカーから音楽が流れる異常を指摘した。こんなことがあるのかね!!調整を試みたが、結局、電子時計を手動に切り替えて、予定より約15分遅れてスタート。

チェンバーズが後半80m猛烈な加速でコリンズ、アリウを追い上げ僅差で勝つ。瞬間、チェンバーズ9秒53、コリンズ9秒56と掲示され場内は騒然とした。

だが、もちろん計時ミス。上位5名までを10秒00とする異例な処置を取ったが、なんとなくすっきりしない結果だ。

その直後、三段跳び決勝、エドワーズは4回目の跳躍は17.19で3位。エドワーズ5度目の跳躍で右足の着地が、ほぼコンクリートと助走路の線上だった。

ジャンプの瞬間、顔しかめて半回転して砂場に突っ込む。 苦痛に歪んだ顔、砂場でもがき苦しむ。競技は約10分中断、担架で運ばれ救急車で病院へ直行した。

右足首は瞬間的に腫れあがり精密検査が必要。世界選手件まで2週間、この大切な時期に手痛い故障。多分、世界選手権は欠場の公算が強いとか。

砲丸投げのマイアースカフが豪快な投擲、21.50mで優勝。ところ、この選手は2年間ドーピングで出場停止を受けている。今週、英国五輪協会は、ルーマニヤ、ノルウエーと同じく薬物使用選手は生涯出場停止、マイアースカフの生涯出場停止を通告している。

このままではかれのアテネ五輪出場は不可能だ。しかし、英国陸錬はマイアースカフをバックアップ、英国五輪協会に働き変えているとか・・・

30歳ごろからケニヤ女子選手がスポーツを始めることは奇跡的なこと。女子5000mでマサイがザボー、ツルを相手に最後のスパートに競り勝つ。

優勝タイムは14分50秒78、ザボーも今が最も疲れているとのことだが、14分51秒、75で2位、それにしても、ツルがやはり調子を上げてきた。ツルは大きな試合に強い選手だ。14分52秒64の3位は立派。

ラドクリフがロンドンマラソン後、ふくらはぎの故障、さらに1ヶ月以上前は気管支炎のため、ほとんど練習らしきものはやっていない。もし調子が悪ければ、来週にも世界選手権不出場の意志を発表するとか。

すると俄然、ツルの10000m2連勝の可能性が高まってきた。

ハイレ・ゲブレセラシエが、2年ぶりで屋外トラックレース優勝。

このレースはキプケター、リモ、キボウエンらのケニヤ勢との対決だった。 前半から、あの暑さの中のハイペースで飛ばす。ケニヤ選手をハイペースで疲労させ、ハイレは意表をつく残り600mでスパート。

12分57秒23で優勝、久しぶりにハイレスマイルが出た。2位はキプケターの12分59秒13だった。

ハイレはこう言う。「記録は思ったより悪いが、あの暑さの中でももう少し記録が出たはず。ロンドンに住んでいる同胞らの期待を裏切るわけには行かない。パリに向けて練習も十分にしてきたし、調子も上がってきた。では5000、10000mの両種目で優勝を狙う。」

日本の塚本は8、13分38秒20だった。

女子三段跳びのアルダマは、15.27mを飛んで優勝、2位は14.99を跳んだレベデファ。この2人にムバンゴを加えると、今季三段跳びトリオだ。

アルダマはこう言う「今日のような気候はキューバを思い出す。コンスタントに15.20m台を飛べるので、総ての条件が整えば世界新記録の可能性は充分ある。私の頭の中には、世界選手権のことはない。来年アテネ五輪のことだけだ」

バックグラウンドで行われた女子棒高跳びも、世界選手権決勝戦並だ。イシンバイェワ、フェオファノワ、ドラギラらが勢ぞろい。が、最近ではイシンバイェワ、フェオファノワらのロシア2選手で優勝争いが続いている。

4.82mの世界記録を持つイシンバイェワがわずかに有利だが、世界選手権の大舞台での勝負は分からない。

多少地味だが、女子走り高跳びのクルーテもコンスタントに2.00mを飛ぶ。最近では2.05mを跳ぶ自信があるとか。できればパリで飛んで優勝を・・・

パリ世界選手権が近付いてくる。報道関係者の取材書発行受付場ができているが、行って見るとデータ−がまだ入力されていなかった。11日なら出来上がっているというが、果たしていつになるやら。しかし、すでに会場の周辺は準備で忙しそうだった。

2003.8.10.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index