【男子走り高跳び、フレイタッグの優勝か?】

昨年、ジャマイカでアメリカ人の走り高跳びコーチから、南アに若い有望な選手がいることを聞いた。 長身選手の中でもひときわ高いジャック・フレイタッグ(21歳)をローマGLで始めて見た。

昨年故障した左利き脚をかばうようにした跳躍だが、荒削りのテクニックだが"ふわり"と垂直に上がる。

走り高跳びの選手の中でもひときは身長が高い男。身長207cmとか、潜在能力は南ア選手権優勝者の母親譲り。平均した力を試合で発揮できないが、久しぶりに240cmを飛べる可能性を秘めた逸材だろう。

抜きが55cmの華麗なホルムの跳躍も素晴らしいが、身長が181cmの小柄ではこの種目では肉体的な限界がある。

フレイタッグの最大のライヴァルは、父親がホルム同様に元走り高跳び選手、コーチをしているリュバコフだろう。身長は198cm、今季234cmをクリアーした。

世界選手権という大舞台で上がらず、通常の力を出せばフレイタッグの優勝の可能性が大きい。その後にリュバコフが続くと見たい。

男子棒高跳び、その日の上、運の良さで優勝が決まる

今季の屋外シーズンは、思いもがけない低記録が続いた。ロビンガー、メニル、マルコフ、アヴェルブフ、チステャアコフらが、その日によって勝者が僅差で決まる際どさだ。

メニルがローマGLで5.92mを飛び今季世界最高記録を出して、やっと、棒高跳びにも火が少しはついた感じ。負けずとばかりに、それまでチョー不振だったアヴェルブフが5.93mを飛び、トップに踊り出た。

この試合でジビリスコは自己の持つイタリア記録を更新、5.82mを飛んだ。このウイニングランは、メインスポンサーであるホンダのバイクに乗って、プロライダー並みの派手なスピードでトラックを4周して観衆に応えた。

現在イスラエル国籍になったアヴェルブフは異色選手だ。数年前から、フィールド内で目が合うと「シャローム!」(ヘブライ語で、こんにちは)と声を掛けた。すると信じられないような表情だったが、最近では「シャローム!」と返事が帰ってくるようになった。

昨年、かれが欧州選手権で優勝、涙の表彰式は印象的だった。 10種目ロシア選手権で優勝、99年イスラエルに来てから棒高跳び選手に転向した。彼のコーチは、ウクライナでガタウリンを育てた名コーチ。99年3位、01年2位、3度目の正直で優勝を狙いたいところ。

しかし、地元で熱狂的な観衆の煽られる、こんな雰囲気の中で滅法強いフランス人、メニルが大活躍するだろう。棒高跳びのピットは、バックスタンドの目の前で行われる。自然に地元選手は奮い立つ。

しかし、棒高跳びの優勝の行くへは、全く予想がつかないのだ。

2003.8.1.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index