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【デンマーク辛じて勝つ、混沌する欧州ワールドカップ予選】 | ||
デンマーク史上最強80年代の黄金時代を築き、デンマークの主将を長く努めたモーテン・オールセン監督、ミカエル・ラウドロップがアシスタントを努める。若手主体、スター選手不在のチームワークが特長。それでもヘルヴェグ(DF,ACミラン)、ヨーゲンセン(MF,ウデイネーゼ)、主将のヘインツ(DF,アイントホーベン)今季ブンデスリーグ得点王になったサンド(FW,FCシャルケ)らの名前が挙げられる。一方、チェコはネドヴェド(MF,ラツイオ)を主将に、ベルガー(MF,リヴァプール)、ポボルスキー(MF,ラツイオ)、スミセール(FW,リヴァプール)、巨漢コラー(FW,アンダレッヒト)ら、現在最も充実した選手層で構成した布陣。デンマークは5分、コーナーキックから、サンドが巧くヘッドに合わせて先取点を獲得。しかしその後、チェコの中盤のボール支配力は圧倒的で、深くデンマーク陣内で試合を進める。チェコが得点するのは、時間の問題に見えた。チェコの攻撃は、左のベルガー、ネドヴェド、右かポボルスキーが執拗に攻めるが最後の詰めが甘い。決定的なチャンスを2度ワイルドにショット。やっと40分、テイスが同点に持ち込み前半を終了した。後半、デンマークの苦戦が予想されたが、4―3―3システムの攻撃スタイルをがらりと変えきた。中盤でスペースを開けないように、最後のラインを高く挙げ、短いパスで繋ぐコンパクトなプレー。チェコが引きぎ目になってくると、長いボールをゴール前に落とす。デンマークのペ―スで試合が進む。チェコはもっぱら個人技に頼るカウンター狙いだが、デンマーク最後のラインを切り崩せない。逆にデンマークは、83分、左サイドからヨーゲンセンが細かい足技で切り込む。ゴール前に張っていたジョン・ダール・トマソンの足元にパス。落ちついたボールさばき。DF陣の動きをよく読んで、足元に飛び込できたタックルより一瞬の早さで、ループシュートで逆サイドの隅を突いたゴール。デンマークが再び蘇った。割れるような歓声、観客が誰とも構わず抱き合って大喜び。敗戦したチェコは、出場権獲得が地力では非常に難しくなってきた。この日、ブルガリアが勝ったため、首位に踊り出た。まだまだ欧州予選、波乱が起きそうだ。 |
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