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【日本代表欧州遠征迫る!セネガル、ナイジェリアに勝てるか?】 | ||
一瞬にして、多発テロ攻撃が世界の情勢を暗躍に突き落とした。極限の状況に極めて敏感な欧州で、男女、老若を問わず、総ての人の日常生活にテロは身近なものとして受け止めている。その余震は簡単には消えない。当然のことながら、スポーツイベントにも多大な影響を受けている。アメリカが軍事行動を起こしたとき、日本代表欧州遠征の対セネガル(10月4日、ランス)、ナイジェリア戦(10月7日、サウザンプトン)が予定されているが状況は予断を許さない。また、アメリカの長期軍事行動になれば、次回ワールドカップも吹っ飛んでしまうだろう。
一方、アフリカを代表する強豪ナイジェリアは、辛うじて最終予選でガーナを下し3連続ワールドカップ出場権を決めた。この一戦をナイジェー河のデルタにある町ポートハーコートで取材した。ナイジェリアの主力は、ウエスト、フィニデイ、オコチャ、オリセ、カノらだが高齢化が気になる。個人選手の魅力があっても、チーム機能は別だ。また、選手と協会不信の対立はアフリカの典型的な持病だが、ナイジェリアは特にそれが根強い。ヴェテランと若手のギャップもある。チーム状況は常に崩壊しかねない。今回の遠征もなんらかの問題を抱えてのことだが、引き分けなら上出来だろう。 さて、日本代表だが、稲本、高原、小野、西沢らの外国クラブ新移籍組み。通常代表選手の外国移籍は2,4年周期で行うもの。かれらは急変した環境で健闘しているものの、精神、肉体的な疲労は相当なもの。つまり、ワールドカップなどの大きな大会前年には控えるのが常識。移籍先で試合出場ができなければ大きなハンデイキャップになる。それでも、日本選手の場合Jリーグでプレーするよりましなのかもしれない。その影響が代表プレーにどのように出るのだろうか。 稲本が日本人選手として始めてチャンピオンリーグ戦に出場した。残り10数分、TVに写る稲本の顔は極度の緊張感。かれの動きは、あたかも五体満足に作動しない。あのような経験を踏まえて、選手は成長してゆく。ベンゲル監督は、2−1でリードしている残り10数分。大事な状況でペレスから稲本交代を告げた。ベンゲルは知将といわれるが勝利を呼ぶ監督ではない。ぎりぎりの状況で若手起用策、チャンスを与えることによって選手を強く育てる。それは厳しい試練だが、監督が選手に託す夢、選手の希望を適える瞬間でもある。そこにベンゲル若手育成の秘訣があるが、勝利監督になれない所以もあろう。なぜならば、あまりにもリスクが付きまとうからだ。 |
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