フランスが引き分け、連続番狂わせ!!

この日のカメルーン対サウジ戦取材はキャンセル。札幌への移動日に当てた。羽田から飛んで札幌に下りると、東京の暑く湿度の高い気候が嘘のようだ。外気に触れると、たちまち汗が引く。ひんやりと寒く、北欧の大気に似ている。

一緒に飛んできた西部がレンタカーを借り、近くの全日空ホテルにチェックインする。 4つ星のホテル。玄関から一歩中に入ると、豪勢な作りのホールに一目わかる巨大な造花が鎮座している。なんとなく野暮ったい雰囲気だが、部屋の窓からの眺めは地平線まで遠望できる。

5時過ぎに"ゆう"さんの経営する小樽まで車を飛ばす。カーナヴィゲ−ションの導きで走る。"ゆうさん"と逢うのは3年ぶりか?ウニの付き出し。次が、温かいご飯に今日採れたというウニをのせた丼ぶりもの。孟宗の竹の子を焼いた珍味を味わう。幸い、西部は酒を飲まない。辛口の旨い酒がたくさん飲める。

旨い酒がまずくなるほど、フランスは無様だ。ジダン不在でゴールが生まれず、ウルグアイとまさかの引き分け。フランスは精神的なプレッシャーで通常の動きがない。16分、ルブッフが交代。ヴィエラが脛を蹴られて一時場外に出る。25分、不運の極め付きはアンリが足首を立ててタックル。一発で退場を命じられた。

フランスは最悪の状況になっても、むやみにゴール前に単純なボールを放り込まない。残された10人が圧倒的にボール支配。戦況を読んで攻撃を組み立てる。トレゼゲにボールを当てる、ビルト−ドが右からクロス、ドリブルで中に切り込んでくる。華麗で多彩なフランス独特なゴール攻略戦法を繰り広げた。 フランスが圧倒的に攻める。

ウルグアイ全員がゴールの前に張り込む。こうなるとよほど運が良くなければゴールを割れない。レコヴァがカウンター攻撃でゴール強襲、バルテーズが好セーブ。あの手この手の膠着した攻略は、最後まで決定的チャンスも作れず痛恨のドロー。がっくり肩を落とすフランス選手、2試合でノーゴール。信じられないような表情だった。


フランスは最終戦、決勝トーナメント進出を掛けて、「2点差以上の勝利」を目指して一次最終戦へ。ルメール監督が動くのが遅い。この4年間、選手を"いじらない"勇気は裏目にでた。開幕戦でセネガルに破れた先発メンバーから股関節を痛めたジョカエフからミクーに変更しただけ。最小限の応急処置に止めたのは、信頼した選手へのメッセージだろうか?

デンマーク対セネガル戦、 ともに緒戦を1勝したもの同士。勝てば決勝トーナメントに進出できるが、うかつに攻めて火傷はしたくない。デンマークは球離れのタイミングが良い。セネガル中盤層の厚い多彩な人材の個性を生かしたプレー。16分、トマソンがPKを獲得、そのまま彼自身が決めて先行。

セネガルは左サイドが強い。デイアオ、ファデイガ、デイオフの連携プレーが良い。来期からリヴァプールに移籍するデイアオ、デイオフ。デイアオは52分同点ゴールを決めたが80分退場。気温は34.5度にまで上がった。それでもモーテン・オールセン監督は「アフリカ選手は暑さになれているが、われわれは違う。それでも前半はゲ−ムを支配したのだから満足だ」と、コメントを残した

G-E,カメルーン対サウジ戦、埼玉、1―0(0―0、1―0)、観衆52328人 サウジが大健闘した。サウジは悲壮な決意で臨んだ。あのカメルーンの猛攻を防ぎ、ドイツ戦8−0で敗退したチームとは思えない豹変したサウジ、再三カウンター攻撃を展開した。来日前の協会と戦手間での「銭闘争」でフィットネスは、押して行きながらも10人で張り付くサウジは崩せない最悪。カメルーンの調子は今一つだ。

ドイツ戦のショックを引きずらないために、サウジのジョハル監督は荒療治に出た。5選手を入れ替え、さらに4から5バックに変えた。頼みのエムボマは調子が悪い。

2002.7.11.return to home 】【 return to indexreturn to football-index