バイエルンは、このシリーズで7戦無敗。特に、対レアル戦に滅法強い。準決勝デンも第一戦も、0―1で勝っている。この夜も勝負は、前半で決まった。8分、エルバがこぼれ球をヘッドで先取点、18分、素晴らしいラウルの突進から後方にクロスを入れる。走り込んできたフィーゴがピシャリと合わせて同点。しかし、34分、セットプレーからショルのパスをイェリミスがゴール、再びバイエルンがリードした。後半、バイエルンは5人DFシステム、水も漏らさぬ布陣設置。一方レアルは猛烈な攻撃を開始したが、攻撃が単純、策も、鉄壁を崩すパワーもなし。サイドからの(フィーゴ、マックマナン、その後、サヴィオと交代)からの抉りは、リザラズ、サニョールの2人のサイドバックが潰した。FW(ラウル、グテイ)の直ぐ後方の位置からの攻撃的中盤選手が不在。中盤候補のマケレレ、エルグエラが1戦になって上がってくるが効果なし。ラウル、フィーゴが下がってボールを受けて突進を試みるが悉く潰される。バイエルンは、後半始めから押されっぱなしでも、最後までDFラインの体力、気迫、チームワークに乱れない。特に、クフォーは、バイエルンDFで最も輝くし獅子奮迅の働きをした。試合終了と共に、クフォーは芝生に座り拳を夜空に突き上げて喜ぶ。クフォーは、15歳の時ガーナの首都アクラからトリノにきた。一昨年、チャンピオンズリーグ決勝戦で、バイエルンはマンチェスターに屈辱の敗戦を味わった。その時、クフォーが芝生に顔を突き刺し号泣した姿が印象的だっだ。今年の決勝戦、クフォーはどんなプレーを見せるだろうか。
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