【モンペリエの広山のプレー】

パルマの中田は意識的にカメラマンに背を向けるポジションを取る。写真嫌いなのか、撮らせたくないのだろうか。そんな態度、表情を知っているものにとっては、広告に写る"ビジネス"の笑顔はとても気持ちが悪い。上手く使い分けている。

南仏のモンパリエでプレーする広山望は、パラグアイ、ポルトガルでプレーしていたので、いまひとつ露出度は低かった。そのためだろうか、カメラマンに意識的に撮り易いようにしてくれるのは助かる。

広山はフランスリーグ初の日本人プレーヤー。身体の大きい、かなり粗いプレー、技術の高いフランスリーグに慣れるのに時間がかかると思ったが、緒戦後半から早くも出場。2戦目のアウエー戦対ボルドー戦にフル出場して勝ってしまった。

第3戦対リヨン戦を取材した。

MF右サイドで先発出場を果たした広山だが、後半早々に交代。順当な交代と言うべきだろう。広山が攻撃の流れを作れない。

試合は前半0−2で勝負は決まった。

個人力、チームワークと共、リヨンは数枚も上手の上、モンペリエは中盤にボールをキープする選手がいない。 当てずっぽうにFWにボールを蹴っても、リヨンは痛くも痒くもない。

MFで勝負は決定。広山は右サイドのポジションだが、あそこまで変える必要がないのに、運動量多く左右に頻繁にサイド換えをする。 運動量が多ければいいというものではない。

広山はボールをキープすることは少なく、すぐにはたくか、ロングパスを前に出す。サイド攻撃は皆無だった。

周りは若い選手が多い。今季からファームから6選手が上がってきた。コンビネーションも最悪。

広山一人の問題ではないが、チームメートに信頼度も薄いのだろうか、ボールが回ってこない。広山が盛んにゼスチャーで"ボールを回せ!!とするが、無視されることが暫しあった。

広山から交代した小柄な7番をつけた選手は、広山よりボールキープ力がある。暫し、ドリブルで突進するが潰される。しかし、はたくことが多い広山より、ボールキープできるだけ、回りが一斉に動く。前半より攻撃のリズムが少しは生まれてきた。

今後どのようにチームが作られてゆくのか、モンペリエは大きな課題を抱えている。広山自身、プレーの幅を広げなければ行き詰まりは必至だ。

2003.8.21.return to home 】【 return to indexreturn to football-index