【波乱の開幕戦、セネガル強し!

G-A、セネガル対フランス戦、ソウル、1―0(1―0、0―0)観衆62561人 ジダンの欠けたフランスは中盤「貯め」、攻守の起点が全く冴えない。プレッシャーなのかいつもの流れるような連系プレーが見られない。数本アンリエ、トレゼゲらのショットがバーを直撃したがゴールならず。フランスになんとなくツキがない。1本でもゴールしたら状況は大きく変わったろうが、中盤からの攻撃がまえに繋がらない。フランスは消化不良のまま試合は終了した。

一方、フランストップリーグで活躍するセネガル選手は、歯車の噛み合わない、ハッタリだけの「ハリボテ」フランス攻撃マシンは通用しない。失うものはないセネガルの思い切りの良いプレー。セネガルは身体を張ってことごとく繋ぎをカット。左サイドのディオフのトリッキーなプレーは、案の定、ルブユッフが完璧に翻弄され致命的なタックルミスで背後を抜かれる。上手くディオフのクロスは、低い弾丸でゴール前の混戦を襲う。そのこぼれ球を走り込んできたディオップが押し込み決勝点をあげる。

セネガルはコーナーで"歓喜"の"オロフ"ダンス。

セネガルのマツ監督の采配が光る。DFのシセを中盤の底で起用。最終ラインの手前で3人,Bデイオップ、デイアオと一緒に並べてフランス攻撃を遊撃させた。シセは中盤の底を這うように遊泳する。相手の出方をことごとくインターセプト、こぼれ球をせっせっと拾う。この強力な網に、フランスが試みる縦パス、ドリブル突破は一網打尽にされ後続を絶たれる。フランスリーグの土壌が育てたアフリカの才能、メツ監督の秘策が効果抜群。

この2チームの選手は皮肉だ。フランス選手は外国クラブの名門で活躍、セネガル選手はフランスリーグ所属。どちらがフランス代表か?あるフランスの記者は、セネガルを"フランスの2番手のチーム"だ、と自嘲気味に笑う。スポーツの戦う姿勢、目標意識の大切さを改めて認識させる試合だ。貪欲な"戦闘意欲"に攻めたセネガルがフランスを上回り、フランスの"アロガンス"な"王者の奢る"小細工を粉砕した。

2002.7.9.return to home 】【 return to indexreturn to football-index