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【絶望的な窮地からクロアチアが生き残る

6月8日、G-G,クロアチア対イタリア戦、鹿島2―1(0―0、2―1)、観衆36472人 札幌の朝は北欧並の白夜だ。3時に空は薄明るくなる。寝たのが今朝4時。6時過ぎてタクシーで飛場へ。飛行場はまだ閉鎖されている。開くのは6時50分から。寒さに震えて20分ほど外で待つ。

予約しておいた切符を購入。心配した荷物の制限もなく搭乗。飛び立つ前に眠りにつき、羽田に到着して目が覚める。

モノレール、山の手線で池袋駅へ。地下のロッカーに荷物を入れて帰宅。3時間休養後、池袋から14時発のJR成田エクスプレスに飛び乗る。成田ターミナル1からプレスバスで鹿島スタジアムへ。 試合開始1時間前スタジアム着。

ここでまた取材キップでひと悶着。JAWCOの報道担当者小山氏は「今後の取材でチケットの用意は問題ないようにしておきます」と、約束したにも関わらず、札幌、鹿島でも問題は修正なし。最初から係りの人に、カメラマンの取材申請が間違って記者になってしまった経過から、同じ説明をクドクドしなければならないのにはうんざり。しかし、幸いにメガネをかけた小柄な鹿島の責任者は、笑顔で「アッ、そうですか」と言っただけ。下手な意味もない質問をクドクドせず迅速に気持ちよく対応してくれたのは気持ちが良かった。

スタジアムは青一色。日本のメデイアが作ったイタリアの"伊達男"軍団。もっとも日本では人気がある。観客席からキャアキャアうるさいこと。メデイアがイタリアの男たちが"格好イイ"、"貴公子"とかわけのわからない形容詞を並べて煽てる。幼稚なにわかファンがファンがその気になって大騒ぎ。

24分、DEの主軸ネスタが故障で交代。かつて世界最高のサイドバック、主将のマルデイニの衰えが明らかに走れない、高さに対抗できず後手に回る。こうなると伝統の"カテナチオ"の錠がガタガタだ。

その上、イタリアの中盤で戦況を確実に掴んで攻撃を組み立てる選手が不在だ。個人力で闇雲の攻撃するのは、あたかも"オーケストラ"の下手な棒振りの不協和音が派手に聞こえるようなもの。中盤不在の前後にボールが行き来するだけの単純なプレー。やっと、ヴィエリが55分、ヘッドで先取点を獲得した。

後半、クロアチはスピードが衰えたスーケル、プロシネツキに変えたフレッシュな若手に交代したの効が攻撃に火を点けた。クロアチアは負ければ一次リーグ敗退が決定するだけに後がない。ボールを奪えば得意な早いカウンター攻撃。左サイドから、キャプテン証をつけたヤルニが絶妙のクロスを放り込む。


デルピエロ

その一発、73分、オリッチが同点ゴールを押し込み押せ押せムード。クロアチアのトマス、シムニッチの二人は、トッテイ、ヴィエリを徹底的にマーク、動きを封じ込んだ。 こうなると、頼みのイタリアDF人が浮き足立ってきた。

今度は5分後、再三強打でゴ−ルを強襲したラパイッイチが得意の左足でシュート。相手DFにボールが当たってゆらゆら飛んでGKの後方にあざ笑うようにゴールに吸い込まれた逆転弾。

トラパトーニ監督は「泥棒にあったとは言わないが、あの5分間だけは選手は精神的におかしくなったようだ。悪夢の5分間だった」と敗戦を分析。

終了間際の幻のインザギゴールは線審の明らかな判定ミス。が、スピード、体力的に往年の切れを失った左サイドのマルデイニのDFミスからのもの。脚が追いつかないのだ。敗戦のポイント、自分のミス采配を、審判に転換したのはいただけない。

G-C,ブラジル対中国戦、西帰浦、4−0(3―0、1―0)、観衆36750人 ブラジルが楽に2勝目をあげた。ブラジルの3トップ、ロナウド、リヴァウド、ロナウジーニョらの華麗な連携プレー。スパーリング練習で中国を一蹴。中国がブラジル相手にまともに回すサッカーにこだわったのか。守備でもゾーンシステム。身体を激しく張って守ることができない。 ロベルトカルロスのFK一発で中国は沈んだ。

G-B,南ア対スロヴェニア戦、大邸、1−0(1―0、0―0)、観衆47226人 ジュジュの効用か、今回の南アはツキを相手から奪い取っている。緒戦ではパラグアイの主将チラベルトが出場停止。この日のスロヴェニアのエース、ザホビッチは監督と衝突で帰国。4分、FKから飛びこんできたノンベッテイの下腹部にボールが当たりそのままゴール。南アWC初勝利になった。S

2002.8.18.return to home 】【 return to indexreturn to football-index