【日本が2-0で勝ったが…、親善試合は「遊び」

中田英寿が光った。パルマで動けない中田が日本代表チームに入ると,攻撃的MFのポジションプレーが堂に入った。瞬時の的確な判断力、左右に適度に振り単純なリズム,戦略を変えながらもチャンスにゴールを強襲する司令塔だ。市川のクロス(ミス)をポーランド主将が胸で大きく弾いたこぼれ球を,瞬時にゴールを狙って先取点を挙げた。

選手はチームが変わると,水を得た魚のようになる例が幾らでもある。ここでの中田のセンスは郡を抜いている。


左の小野伸二もフェイノールトでレギュラーポジション確保,UEFAカップ活躍が余裕ある自信溢れるプレー、存在感を見せている。稲本は期待したより出来が悪かった。ポーツマスで悪評高いGK川口が,無難に仕事をこなしていた。小柄な主将CF宮本のDFラインの統一センスが良く、ポーランドの攻めに上手く機能していた。

首都ワルシャワから南に電車で2時間,偉大なピアニストアルツール・ルービンシュタイン生誕の街,ウッジで日本チームがWC欧州予選を最初に突破した強豪ポーランドに2-0で快勝した。

試合後、ブワデイス・エンゲル(天使の意味?)ポーランド監督に聞いてみた。 「試合前、急激に力をつけた日本チームのテープ6本を見た。聞きに優るチームだ。ワールドカップでダークホース的な存在になるだろう」

「日本選手の激しい当たりでウチの選手はすっかり気勢を殺がれて浮き足立った。通常このような親善試合では,素晴らしい気力,フィとネスであれほどガンガン飛ばしませんからね(苦笑)」

「中田のMFで攻守に大活躍,稲本、小野,中田,戸田らのプレーは印象的だった。これに柳沢、アレックス、盛岡からが加わるだろう。3バックスも良かった」と、賞賛が続く。

今日の試合の結果は,昨日ポーランドTVインタビューでポーランド敗戦を伝えた。月曜日にスポンサーのパーテイー,選手のモチヴェーションはゼロ。われわれは"お祭り",日本は"真剣"だった。その差が大きい。なんのスポーツでもモチヴェーションと気力は最も重要なもの。最終選考を兼ねて,ウチもこの試合で若い4人を先発。そして,私はここで負けることがチームにとって大変に良い薬,刺激になるとなると思う。」

「日本は地元開催の有利な点があり、1次リーグ突破は間違いないだろう。ベルギーには苦戦するだろうが、ロシアには勝てそうだ。日本選手もかなりラフなプレーをするのには驚いた。体格的に劣っているというのは間違いだ」と、柔和な笑顔で外交辞令が続いた。

2002.4.4.return to home 】【 return to indexreturn to football-index