【日本代表は予想以上に善戦した!

6月4日、埼玉、ベルギー対日本戦、2−2(0―0、2―2)、観衆55256人

日本は惜しくもベルギーと引き分けた!

ブルー一色に埋まった大観衆の声援をバックに、想像以上に日本は強かった!

ぼくの予想が見事に外れた!

欲を言えばあの試合は勝てなければいけない!

しかし、WCはそんなに楽には勝たしてくれない。

後半20分、高温多湿にエネルギーを消費した"赤い悪魔"のベルギーの足は完全に止まった。日本はベルギーに先取点を奪われたが、即座に小野の長いボールが巧くDFとGKの間に落ちた。走りこんだ鈴木が、一瞬ベルギーGKより早く、ボールをつま先でタッチ。ボールは勢い良くGKの脇を擦り抜けてゴールに一直線。

同点に持ち込む精神的な強さが凄い!5分後、ベルギーが度肝を抜いた!アーセナル仕込みの稲本がタックルを振りきって左サイドからの豪快なショットで2点目を獲得。スタジアムは割れんばかりの大騒ぎ!この日の稲本は当たりに強く、突破力、思い切りの良さが光った。

大観衆の大部分は若者。欧州、南米スタジアムの殺伐とした雰囲気とは違う、行儀良く、カワイイ・ユニセックス・モードだが、これが絵にならない。応援も自然に出ない。誰かの指揮、マニュアルなくしてはできないロボット的。試合そのものよりスタジアムの一体感の雰囲気で酔っている。面白い写真の被写体がスタンドに少ない。数少ない仮装の若者も、自分がそこに「行った」証明写真撮影のために過ぎない。

やはりベルギーはDFができない小野サイドをガンガン攻めてきた。中田はシモンズがマークを徹底して動きを封じた。しかし、ベルギーの努力も後半になると日本の気象状況に体力を消耗、足が止まった。稲本、戸田らが空いたスペースを走ることができると、中田のマークも緩み中盤が広がる好循環になった。盛岡,戸田、稲本らの、頭髪がカラフルな連中が大活躍。

2−1とリードを奪われたときの心境を聞かれたベルギーのワセ−ジュ監督は「逆転されるなんて、誰も考えなかった・・・」57分、左サイドからのFKからクリアーボールのこぼれ球を再び中央にパス、主将ウイルモツがオーヴァーヘッドで同点ゴールを決めた。ベルギーは二人のDFが負傷。4バックを守備的なMFとともに守る3バックに急遽変更した布陣だった。

日本選手は、このような大試合に場慣れしてきた。役割、約束事をきちんとこなし、"フレヤー"は見られないが、自信たっぷりに組織だったプレーが光る。統制されたチームは、それなりに高温多湿の日本で欧州、南米勢でも対等に試合ができるとことが実証された。

鈴木、稲本、戸田、中田のプレーが新鮮だった。日本に新しいタイプのスポーツ選手誕生の日だった。 池袋−大宮,駅構内の案内所の誘導でメデイアバス停,バスでスタジアムまで45分。快適でスムースに移動できるのはほぼ完璧なこと。ここにはぼくのパスが準備されていた。この日の取材者が多いが,すべて全員座れる。問題はない。帰りもスムースにきっちりスタジアムから大宮駅まで45分だった。


G-D、韓国対ポーランド戦、釜山、2―0(1―0、1―0)、観衆48760人 この日、韓国が1954年初出場から実に49年、ポーランドを2−0(26分、黄善洪、53分、柳想鉄)で破る15試合目での初勝利。洪明ボウが大活躍。堅固なDFの主軸。

G-C,コスタリカ対中国戦、光州、2−0(0―0、2―0)、観衆27217人 ミルチノビッチ監督魔術通ぜず。2−4−4布陣、先発の平均身長が182の大型選手を並べたが、いかんせん大試合の経験が乏しい。試合巧者の一日の長がある。攻めさせながら中国が疲れたころ、ちょっとした集中力を欠いたところ攻めこまれ61,62分、立て続けに得点を許す。これでがっくり、精神的な脆さを暴露する。

2002.7.10.return to home 】【 return to indexreturn to football-index