【「皇帝」ハイレ・ゲグレセラシエの衰え】

「オレも年だよ!!」と、ローマ・ゴールデン・ガラ5000m残り150mであっけなく若いチェビイ、ベケレらのスピードに完敗したハイレは、控え室に戻りぼくの顔を見ると、負けっぷりよく笑った。

ハイレは世界の長距離の頂点に君臨すること10年間。幾多の世界記録を塗り替え、五輪10000m2連勝、世界選手権4連勝など、史上最強選手として"皇帝"のニックネームがつけられた男だ。

今年の室内世界選手権3000mに優勝、故障から1年ぶりにトラックに復帰したが、10歳も若いベケレ、チェビイらに、かつて無敵の"伝家の宝刀"スピードが全く通用せず惨敗を記した。

それでも衰えたとはいえ、ハイレは12分台、26分台で走る実力は今だ世界のトップクラス。無敵だったハイレゆえに、ライヴァルが台頭してきたのだ。

「ボチボチ潮時かな?」と悪戯ポック言ってきた。「それがスポーツだ!」と、珍しく、このクラスの選手が感情を表に出さず、潔く現状に直視しているのは生半可でできることではない。

微塵もなく敗戦をしっかりと受け止めている。 「世界選手権大会が終わったら、トラックじゃあ勝てないからマラソンに転向だね!」と笑い飛ばした。

アテネ五輪はマラソン出場か?

 

2003.7.15.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index