スレヤ・アヤハン、トルコの秘密兵器

女子1500m決勝。無謀とも思われるスタートから大きく先行するスレヤ・アヤハン(トルコ、23才)に、多くの人はザヴォー最後のスプリントを待っていた。

トルコの学生アヤハンは、シドニーで準決勝進出、エドモントン決勝で8位。それ以後、故障で海外レースに出場していないほとんど無名選手だ。

残り300m、アヤハンの後方にザヴォーがぴたりと寄せた。ザヴォーの"必殺のスプリント"を逃れたものは少ない。あたかも、ザヴォーは優勝メダルコレクションに唯一欠けている欧州選手権メダル獲得に、万端の準備が整えられたと言っても良かろう。

 

必死で逃げるアヤハン、最後のカーヴを曲がりホームストレッチに入っても2人の距離は変わらない。最後の10m、わずかにスピードが落ちたアヤハンにザヴォーが一歩ごとに接近したが1/200秒及ばず!アヤハンが3分58秒79でトルコ悲願の初優勝達成した。

「世界選手権後、故障で6ヶ月間練習できなかった。ドイツで治療、今春から故障なく練習を消化できたが、レースにでるのが怖かった。この優勝はトルコのもの。もし、誰かが世の中の総をオファーしても、このメダルに換えられません(笑う)」

余談だが、高地練習は、トルコの東、イランとの国境に近いかつての"シルクロード"現"アジアハイウエイ"が通過する2200mにあるのエルズレムという町。この国境に数度立って北に見える"富士山"に似た旧約聖書に出ている"ノアの箱舟"漂流地点とされる"アララト山"が美しく眺めたのを思い出した。

 

 

2002.8.22.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index