50km競歩の鉄人、ロベルト・コルゼニオウスキー、大会唯一の世界最高記録樹立

スタジアムの記者室でポーランドの英雄ロベルトは、入れ替わり立ち代りポーランドTV、ラジオ、記者からインタービューを受けていた。

頃合を見て「ドーピング検査で時間がない!」と言って立ち上がってわたしと鉢合わせ「ヤア!久しぶり」と言って声を掛けてきたので立ち話。

「この大会が私の最後の欧州選手権大会になるだろう。今まで,世界選手権大会,五輪など,世界最高記録で優勝するチャンスを狙っていたんですが、暑すぎてそのチャンスはなかった。ミュンヘンが最後のチャンスですから3月から3ヵ月半メキシコで高地練習、フランスに戻ってフォー・ロムーで合宿して調整してきました。

天候が幸いしました。スタートから早いペースで入ったので、25kmあたりから世界記録を敗れるような気がしてきましたね。後半は完全に独走態勢で計画どおりの歩きで(2位との差は約4分!)世界最高記録を樹立する確信を持てました。念願の2連勝、世界最高記録で優勝できたのは幸いです。」

"コジェルニオウスキー ファンクラブ"の人達が数百人バスでポーランドから応援に駆けつけ、沿道、スタジアムで小旗を振って激励した。

ゴール直後、ポーランド首相から直接"祝電話"が入る。表彰式には、ポーランド史上最高選手イレナ・チェビンスカ陸連会長も祝福、栄誉を称えた。

ロベルトは「ミュンヘンはポーランドに近い。ホームグラウンドのようなものでしょう。ファンのためにもしっかりした歩きを見せなければならない状況でしょう。それに答えることができてよかった!次の目標は、来年パリで開催される世界選手権大会、フランスはぼくの第二の故郷、がんばらなければならない。アテネで最後の五輪優勝で有終の美を飾りたい。またね!」にっこり笑って人込みに消えた。

写真は男子10000m決勝のもの。

 

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