【ドゥワイン・チャンバーズ、やっと一人前のスプリンターに成れた】

男子100m決勝。ナーヴァス気味の8人のスプリンター。ファオルスタートを何度も繰り返す。

5コースの優勝候補のドゥワイン・チャンバーズ(イギリス、23才)の隣で、イカツイ体躯のヴェテラン、G.テオドリデイス(ギリシア、30才)が緊張で堪え切れずにフライング2度行い失格。

チャンバーズは「フライングが多くて集中力が欠けたような気もするが、中盤から後半の走りは非常に気持ち良く加速に乗れた」と,準決勝までゴールからTVインタビューーを拒否して控え室に走り込んだ男が、ポストレースは大きな笑顔で雄弁だった。

「予選から尻上がりにスタートが良くなってきた。まだまだ調整の可能性があるが,第2次予選を10秒08で走ったイイ感触、準決勝の走りも良かったのでなんとか(優勝が)なりそうな気がしていた。

英連邦大会決勝で足が吊って不様な8位だったので汚名奪回。フランシス・オビクエル(元ナイジェリア、現ポルトガル,24才)、ダーレン・キャンベル(英国,28才)らの強力な選手がいたのでタフなレースだった。しかし、9秒96の大会記録間を破るなんて最高にラッキーだ!」

ジャマイカの両親、英国生まれ。10代でセヴィリア世界選手権大会の100mで3位に入賞して将来を期待されたが、ここ数年伸び悩む。

ところが今季モリース・グリーンをオスローGP、シェフィールドで破り自信をつけたのが大ブレークした原因。

 

86年欧州選手権で、リンフォード・クリステーが優勝して以来、短距離は英国勢が独占している。 「100mを走るのは非常に厳しい。瞬間的なレースのため、わずかなミスも許されない厳しさがある。しかし、今回は友人知人、国中からも期待され、優勝して重圧から開放されて"ホッ"としています。ぼくはそんなにガチガチ練習するタイプではないし、ちょっと怠け者です(笑い)やっと、あるバリアーを越えることができた。アメリカ選手にボチボチ対等に走れるようになってきたのは嬉しい」

BBCが報道したチャンバーのアメリカンフットボール転向説を「2位になったら意外な可能性が生まれたかもしれないが、アメリカンフットボールをプレーしたこともないし、100mに情熱を注ぎまだまだやることがたくさんあるので、そんな考えは毛頭ありません。さらにもっと高い目標で昇進したいと思います」と一笑。最終日、4x100mリレーのアンカーを無難なく走り優勝に貢献、2冠を獲得した。

2002.8.21.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index