福士加代子、世界トップレヴェルで奮闘した3000m日本新記録誕生】

7月5日、小雨降る肌寒い悪天候の中、今季、最初の「ゴールデン・リーグ」パリ大会が、パリ北の郊外にあるサン・ドゥニ、「スタッド・ドゥ・フランス」で開催された。女子3000mはこの大会最初の種目。ザボー(ルーマニア)、アデレ(エチオピア)、マサイ(ケニヤ)らの強豪が勢ぞろいした。福士加代子(ワコール)が昨年ベルギーで出した自己記録8分50秒40(日本歴代3位の記録)は、出場選手15人中11番目、そのうち3名は昨年まで記録なし。いかにレヴェルが高いか理解できよう。

激戦レースを制したのは、やはり、昨年急成長したアデレを寄せつけず、強いザボーが復活した。オスローに続きザボーはアデレに2連勝。優勝記録8分31秒88は今季世界最高。 ゴール直後、雨と汗でビショビショに濡れた福士、監督の言葉を纏めてみた。 「雨はそれほど気にならなかったですね。ここは初めてですが、大きなスタジアムで観衆(この日は約5万人の入場者)が、"ワーッ"と盛り上がって楽しい雰囲気にノリました。(笑い)こんなのイイ感じですね。このレースが欧州転戦の最初ですから、少なくとも昨年ベルギーで出した自己記録は破りたかったですね。

このために調整してきたんですから、欲張って3000,5000mの両種目であわよくば・・・、特に、5000mでサブ15分が出せたらいいですね(笑い)しかし、今夜のレースも楽じゃあありません。 最初の1000mまでは一番後ろ!ペースが最初から速いのは予想していたので驚かなかったのですが、実際スタートすると早くて戸惑いましたね。(笑い)やっぱり、わたしには3000mはキツイです!前の集団は早すぎて追えない。先頭集団から遅れましたが、1000mを2分50秒ちょっとで通過したのは覚えていますが、その後のペースはわからなくなっちゃった(笑い)ですから何秒で入ったかわかりませ〜ん。 これで昨年、ローザンヌで再会になったリヴェンジができました。


(ここまで話していると、監督がミックスゾーンに慌しく飛んできて、日本新記録を伝える)(福士は手を叩いて)"ワーッ!日本新記録だ!"ヤッタ!良くやった!出ちゃいましたね(書くと大騒ぎしたような印象を与えるが、かなりクールだ。故障もなく練習をこなしてきた自信の裏づけが表情に表れていた)これでひとつの目標はクリアーできました。(ここで来年世界選手権が行われるの知っているかの問いに)"ア〜そうなんですか。来れるとイイですね。(お惚けも冴えていた)」

永田監督談「日本と違い大きな会場ですから、雰囲気に戸惑うんじゃあないかと思っていたんです。これに会わせて調整してきたんですから、最初の大会で"一つ目のハードル"をなんとか乗り越えたらイイと思っていました。やはりペースは早く、1000m程で足取りをちょっと揃えたりしていたが、後半は良くがんばったと思います。

春のクロカンの時はちょっとした故障していましたが、その後、順調すぎるほど練習をしっかりできました。故障さえなければ、練習ができていましたから疲れを取れば、ある意味で"ご褒美"を貰えるんじゃあないかと思って楽な気持ちで期待していました。上手く調整して、5000mをサブ15分で行って貰いたいものです」
2002.7.8.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index