クリスチャン・オールション、"アイドル"エドワーズに競り勝つ

緊張した表情でオールション(スゥエーデン、22才)は、ジョナサン・エドワーズ(英国、36才)最後の跳躍を凝視していた。助走のスピードを生かしたそれまでの跳躍よりはるかにステップからジャンプがグーンと伸び、17mを大きく越えて着陸した瞬間、主審がファオルの赤旗をサッと振り上げた。

優勝を確認したオールションは、両手を掲げてジャンピング、観衆に答えた。

オールションは「少し寒かったので、17m50ぐらいが優勝ラインかと思っていたが、ライヴァルのジャンプも波があり、こんな時はエドワーズの一発が怖い。ぼくはコンスタントに跳んでいたが、エドワーズのジャンプを知るものなら、勝敗の行方はかれの最後のジャンプまで確信を持てるものではありません。実際、彼の最後のジャンプは相当に跳んでいたでしょう」

エドワーズは「正直言って、負けたのはガックリしました。天候は良くなかった。ジャンプは悪くはなかったが、ファオルした最後のジャンプだけが良かっただけ。クリスチャンが勝ってよかった。今日はかれのもの。ひとつの選手権に負けたからと言って、世界の終焉ではありえないのですから・・・」と、淡々としたもの。

オールションのパッションは走り高跳び。今年走り高跳びで2.28mを跳ぶ。コーチは、元走り高跳びの世界記録保持者パトリック・ショーベルグのコーチだったV.ノーシアイネン。99年、14.48から16.27mに急成長してから三段跳びに転向した逸材。昨年の世界選手権で2位。

初の大きなタイトル獲得の印象は、 「昨年より少しは進歩してきたと思います。特に、7月25日、カールスタドで跳んだ17.64mの自己新記録更新、オスロー、パリ、ストックホルムでエドワーズに連敗した後、モナコGPで自己2番目の17.64mを跳んでエドワーズの勝ったことが大きな自信になりました。

エドワーズから『おめでとう!』と言われたときは嬉しかった。このような機会、結果の積み重ねができて、偉大な選手(エドワーズ)に一歩ずつ近づけるのです。18.50mを飛ぶことも可能でしょうが、まだまだ習うことはたくさんあります」クールな若いスゥエーデン人の将来を期待しよう。

 

 

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