【第9回世界選手権大会始まる】

開会式は、スタンドの一番高い地点から見ていた。 心配された観客も、巨大なスタッド・ドゥ・フランスをなんとなく埋めて、このような世界的な規模のイヴェントでは珍しく日中の開会式が行われた。

フィールド内いっぱいに人で描かれた世界地図の中に、各国選手が次々と4隅のスタジアムから入場する。日本選手は100mスタートコーナーから入場して、なんと引率者が勘違いして南米の中に入った!

開会式宣言を始めたラファラニ首相が、巨大なスクリーンに映像が現れると、観客から猛烈なブーイングの嵐。政府がヴァカンス中、歴史的な猛暑に対する対策を行ったことに対する怒りの声と言いたいが・・・この場所では礼節がない!

猛暑は12000人以上の生命を奪ったということだが、フランスは伝統的に"ヴァカンス"は聖域だ。これ犯すことは誰も、人が死んでも許されないような雰囲気がある。

ある共同通信の記者が、1ヶ月ヴァカンスを取り自分の金でチェルノブル取材をして帰国したら、首になったケースとは大違いだ。フランスは有給休暇が年間5週間取れるし、誰でも悠々と気兼ねし.ないで取る。

社会保障が充分施行されている国と、個人生活の豊かさの内容が違う。これは極端なフランス例だ。 フランスでは世相が極端に反映する。

話が大きく逸れたが、初日の男子砲丸投げ決勝と女子10000m決勝は見ものだった。

大会最初の決勝種目は男子砲丸投げ。またも優勝候補筆頭のトスが敗退した。前大会でドーピング2年間出場停止処分を受けたアドレ・ミクノビッチ(ベラルシア)が、21.66mを投げてまさかの優勝。

8月4日停止処分が解除され、その4日後にミンクスで国内選手権に出場して優勝。「2年間は精神的な苦痛を強いられた。

今日の記録は驚かないが、まさか優勝できるとは思わなかった!!」と、大喜びだ。

優勝候補の筆頭のトスは、室内世界選手権でも失敗、大きな大会で精神的なもろさを暴露した。

アデレが期待通りのレース展開で圧勝した!ふっと、もしラドクリフが出場したら・・・と思ったが、その穴埋めをしたのが3位になった中国の孫選手だ。

奇妙な腕振りをするが、なんと始終アデレ、キダネのレースを掻き乱そうと懸命だった。一時は後退したが、また盛り返して先頭を走る積極性、最後の700Mでアデレのスプリントを警戒したロングスパートを掛けたが振り切れなかった。

アデレは「前回はツルに1秒差で負けて悔しかったが、今回は絶対に勝ちたかった。この後は5000Mで2冠を狙う」

アデレはいろんなことでエチオピア選手の中では異例だ。裕福の家庭に育ったためハングリー精神に欠けると人は言う。彼女のブレークは、数年前からテグラ・ラループ、ジョイス・チェプチュンバらを育てたフォルカ・ワグナーのコーチを受けるようになったからだ。

日本選手は、福士は「思い切ったレースをする!」と公言したが、スタートから速いレース展開に付いてゆくのがいっぱい。渋井もいまひとつ切れがなく、先頭から1週遅れだった。

日本男子400m予選は全滅だ。改めて、為末の言葉を思い起こした。「横浜スタジアム記録は、いくら出しても世界では通用しない!欧州では走って診なければ本当の実力はわからないのです」それなのか、ほとんどの選手が自己ベストより1秒ぐらいは遅かったのでは?

最後になったが、15日室伏は練習中転倒して、右腕を多少の痺れを感じたらしい。心配されたが1投目77.90M、2投目79.45mを投げて、予選通貨記録78.00Mを軽く越えて無事に通過した。

室伏のライバル、アヌシュ、ヒホンらも難なく通過している。決勝は月曜日の夕方18時から!

200*.*.*.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index