【野口2位、悲願のアテネ五輪出場権獲得、】

日の丸の旗が波のように揺れるパリ市庁舎前のスタート地点。日本人取材陣が最も多い。

知人の今回場内アナウンサーを努めるマ−クは、「日本のマラソンは宗教的だ!」と説明が入る。

野口はスタートから限りなく積極的だった。小気味よいピッチで走る。最初の10kmをロシア選手が飛び出したが、15km手前で大きな集団に飲み込まれる。

日本選手の4人が大きな集団の先頭に立つ。大南、野口が先頭集団を引っ張る。後方に、千葉、坂本らの顔も見える。

オペラ座前を右折する近辺では、さらに沿道に人がビッシリ。旗を振った日本人が多い。

カメラ車からは良く見えるが、撮影距離になかなか入らない。時折TV、タイム車が選手との間に入り込む。昨日の男子レースを取材のときは、カメラ車からはほとんど写真が撮れなかった。

そこでカメラチーフ、バルセロナからきたラファエルがトラックに乗車陣頭指揮だ。

昨日、知人のスペイン人は「安上がりのパリ観光だ」と、悪い冗談が飛び出た!しかし、今日はわれわれカメラ車との距離は近くなってきたので撮れるチャンスは多い。

コンコルドからシャンゼリゼの坂

道を登ったが、それほど選手の疲労も見られない。野口の後方には北朝鮮ランナーがゴバンザメのように食い辛く。大南もリラックスできている。

難関のシャイヨー宮殿からの急な下り坂を過ぎても20名ぐらいの集団は割れない。25km地点を過ぎたころ、突然と今まで先頭を軽く走っていた大南に姿が後方に下がった。身体が横ブレ苦しそうな表情。

やはりデレバは一枚格が上だった。後半に滅法強い得意な戦法。スパート34kmでスーと前に出た。ここから日本人選手のメダル獲得、一番乗り争いが激化する。

野口が2時間24分14秒で2位。アテネ五輪代表権を獲得。3位、千葉、4位、坂本。団体優勝を決めた。

野口は「アテネが掛かっているのでいつ抜かれるか、後ろを気にして恐怖感でいっぱいでした。とにかく、メダル獲得、日本選手で一番になる目標を達成できた感激でいっぱいです」と、ゴール直後藤田監督と抱き合って大喜び。日本女子マラソンは、名実ともに世界選手権のメダル獲得数は世界一。

これで今秋から来春までの国内五輪選考会レースは、残り2席を争い激戦化は必至だ。

2003.9.1.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index