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【中流選手思考、長距離選手の需要と供給】 | ||
しかし、世 界中を見渡しても1ヶ国で10、000mで28分台のランナーが100人を越す国はないだろう。 これほどの数の長距離選手が大勢いるにもかかわらず、未だに、中山竹道の保持する日本記録、27分35秒33 が13年間破れない。また、27分台で走る選手が少ないのは真に不思議だ。ある実業団の監督は、『選手 層の厚さは世界一だ。この中から凄いのが出る』と言っていたが、とてもそれだけ単調には期待できない。 日本は伝統的に自他共に認める世界でも駅伝、マラソン大好きな国。他の陸上種目はともかくとして、駅伝、マラ ソン要員で高校生男女長距離選手は引っ張りだこ。マーケット、需要が広大で大きい。周知のように選手が足りな くて、外国選手勧誘にまで手を出している。レースは熾烈で、ライヴァル意識は相当に厳しい。が、日本の企業、 大学、高校生でも、駅伝が主力で強い個性はそれほど望まれていない。指導者は、傑出した個人才能を伸ばす努力 よりも、平均を高めるのを至上目的に猛練習するからだ。多分、実業団トップチームでは、少なくとも各選手の 10、000m走力が28分台を目的する。それがレギュラー選手の必須条件ではなかろうか?そうしなければ勝てな いのだろう。中流選手の集団チームワークが必要なのだが、心理的限界でしかない。企業、大学、高校までが、個 人種目のマラソンよりも、チームワークの駅伝勝利が至上目的だ。ボルダ―の高地練習が良いといえば、猫も杓子 も飛んで行く。あの狭い大学の町に、実業団の数十社が同じ時期に合宿する。練習法も、多分、そんなに違うものではなかろう。目的意識、環境、練習、報酬、才能などにも大差はないだろう。駅伝一色の日常生活で、その向こ うの世界にターゲットを置くことは難しい。そんな中流思考選手が、大量に10、000m28分台選手製造現状を起 しているのだろう。そして、多くの選手が大成する前に、確かに『バーンアウト現象』を起してしまうのも事実だ。 |
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