ヨランダ・チェプラック、世界新記録の挑戦とアテネの優勝が目標! 

ヨランダ・チェプラック(スロヴェネア、27才)は、今年1月にウイーンで開催された欧州室内選手権で、地元の最大のスポーツウーマン"シルヴァー"(万年2位の意味)ステファニ・グラフ(オーストリア、29才)を1/100の僅差で破り、センセーショナルな世界室内新記録1分55秒82で勝った。

昨年までは、ほとんど目立たない選手。昨年の世界選手権大会準決勝でも800m2分02秒65で5位、決勝戦進出を果たせなかった選手。いわば世界の二流だったが、チェプラックは急激な成長を「冬季練習から故障もなくも練習を消化できたお陰。アメリカ室内競技で好成績を残し、2月10日、ベルギーのゲントでグラフについで2位。マリア・ムトラに勝ったレースは大きな自信になりました。やっと今までの厳しい練習の成果が出てきました」と語る。

ミュンヘンでグラフが故障で欠場したが、決勝でチェプラックはマルテイネーズ(スペイン、27才)、ホルムズ(英国、32才)らを全く問題せず。前半を57秒61で通過、ほぼ単独レースで金髪をなびかせて1分57秒65で圧勝した。

勝つことは当然と言うよな自信たっぷりな言葉だ。「勝つことが最も重要なことなので、いつもならもう少し前半から早いペースではいるのが好きです。いつか大きなタイトル獲得に夢を掛けたものですが、欧州選手権で優勝することは、ほぼ計画通りの実行でした」 11才ごろからクロカンを走る興味を持ち出し、95年欧州ジュニア1500mで3位になっている。

しかし、潜在的な素質が開花したのは、99年アレス・スコヴェルネ・コーチを変えたからだ。ところが面白い練習があるものだ。「わたしのコーチは、サンデイエゴで経済学を勉強しているので、総ての練習プログラムはeメールで送られてきます。日常ストップウオッチでタイムを計ってくれるのは、わたしが11才のころから面倒を見てくれたペトロフ。この二人のコーチは、昔から友達同士で仲が良い。練習で重点を置くのは、スプリントとジムのコンビですね。クロカンはほとんどしませんが、走り幅跳び、三段飛び、走り高跳びなどを取り入れたお陰で走るのが軽くなりスピードがついてきました」

スロヴェニア陸連のテクニカルデレクター、ボリス・ミクチェは「スロヴェニアはスポーツが盛んなところだが、国が小さいので選手にスポンサーがつくのが難しい」と国状を説明してくれた。 最後にチェプレックは「ミュンヘンでは800、1500mの2冠を狙ったのですが、昨年ニースでアキレス腱を痛めたように無理を避けました。ウイーンで勝ったことが、欧州選手権を身近に捕らえ、ミュンヘンの優勝で、来年パリの世界選手権大会、アテネ五輪優勝、カトチヴィローファノの持つ世界記録に挑戦することができます」と将来の抱負を述べる新しい"中距離の女王誕生"か

 

 

2002.8.21.return to home 】【 return to index 】【 return to athletics-index